明日から始まる、
夜明けの劇場 朝カフェ芝居「迷える子シープたち」
〜保科由里子のあれやこれやブログ〜
明日から始まる、
夜明けの劇場 朝カフェ芝居「迷える子シープたち」
なかなか長いですが、ぜひとも「その1」から読んで頂けたら嬉しいです。
で、このメルマガ戯曲は、私が扱ってるSNSの中では1番正直に色々と書いてる場所である、「ホッシーナゆりこと仲間たち」のメルマガの中で展開しています。
https://sv7.mgzn.jp/sys/reg.php?cid=T003226
ちょうど、前回のメルマガで今日のところまで配信済みです。
メルマガ内で物語が進み次第、適宜、ここのブログにも公開していく予定です。
ちなみに、月2回配信予定。自宅軟禁中は毎日配信、次第に隔日になって、ついに月2回の配信となってしまいました〜。
ゆるゆると月2回で続けたいと思ってます、月2回でも危うい時あるけど、なんとか。かんとか。(ちなみにブログは月1を目指しておる)
メルマガ戯曲「少女Aと探し物へ」第2章 その2
リース: 「そうなんだよ!!」
少女A: 「どうすんの?!」
リース: 「どうしよう!」
少女A: 「どうしようっか!」
リース: 「どうする?」
少女A: 「もうさ、行こうよ、進もう、前に」
リース: 「ちょっと」
少女A: 「うんだって、帰り方わかんないしどうせ」
リース: 「なんかさ、え?なんか」
少女A: 「なによ?」
リース: 「カッコよくなったよねぇ(ニヤニヤ)」
少女A: 「(大テレして)えぇやだなにぃちょっとやめ」
リース: 「(カットオフして)よし行こうか」
少女A: 「(スンっとして)うんそだねー」
リース: 「とりあえずさ、あの巨大な噴水まで行く?」
声: 「すみません」
少女Aとリースが声の方を振り返る。
そこに、黒人女性が手になにかを持って立っている。
女性: 「すみません、これ落としましたよ?」
固まる少女Aとリース。
女性: 「あの、これ、違います?」
慌てて返事をする少女A。
少女A: 「あ、え、エクスキューズミー?」
女性: 「日本語で大丈夫です」
少女A: 「あの、アイムソーリー、アイキャント・・」
女性: 「(優しくカットオフして、丁寧に)日本語わかりますよ」
短い間。
少女A: 「あ、す、すいません、驚いた、だって日本語上手・・」
女性: 「驚かしちゃいましたよね、ごめんなさい、私日本人なんですよ、だから日本語ベラ
ベラ」
リース: 「えーーーーー!!」
少女A: 「(リースに)ちょっとっ!」
リース: 「だってっ!」
女性: 「(楽しそうに笑って)あっはっは、そりゃえーってなりますよね、大丈夫、いつも
のことだから」
少女A: 「(シュンとして)あ、いつもこんな風に驚かれるんですか・・えっと、すいませ
ん」
女性: 「残念ながら、慣れてます」
リース: 「見た目で判断しちゃダメってことだよ、私の時で学ばなかったのか」
少女A: 「あ」
女性: 「じゃあ、次からは気をつけないとね」
少女A: 「はい、ごめんなさい」
女性: 「で、これ、違う?さっきポトって落ちた気がしたんですけど」
少女Aとリースが女性の手に乗っている物を見ると、
少女A・リース: 「えーーーーーーーーーー!!!!!」
少女A: 「成田凌じゃん!」
リース: 「ほんとだ成田凌じゃん!」
女性: 「成田凌?これが??」
少女A: 「ちっちゃ!なんでこんなちっちゃくなってんの!!」
リース: 「手のひらサイズの成田凌!!」
少女A: 「かわいいじゃん!」
3人は女性の右手の平を見下ろす。
間。
リース: 「(少女Aに)ねぇ、話しかけなよ」
少女A: 「え、あ、うん」
少女A、深呼吸をして、
少女A: 「あの、き、聞こえますかー!」
3人、それぞれの片耳をリョウポートに寄せる。
間。
リース: 「聞こえないのかな?」
少女A: 「これさ、寝てるんじゃない?横になってるし」
女性: 「ゆすってみる?」
少女Aとリースが驚く間もなく、女性はリョウポートを乗せてない方の左手を右手にか
ぶせ、ワッシャワッシャとバーテンダーのように手を振る。
少女A: 「あちょちょちょちょちょっ!酔う酔う酔う!」
リース: 「死んじゃうよ!」
女性: 「あら失礼!(朗らかに笑いながら)ワザとよぉ」
と言って手を開くと、ヨレッヨレのフラッフラになったリョウポートが立っていた。
リョウポート: 「し・・・死ぬぅっ!!」
リース: 「声ちっさ!」
少女A: 「良かった生きてたーっ!」
女性: 「(残念そうに)あーあ」
リース: 「・・・あーあ?って??」
女性: 「あーあ?って?」
リース: 「え、いや、今、あーあ?って仰いました?あれ?」
少女A: 「とりま生きてて良かったよ、これで迷子はまぬがれた!よね?え、帰れるんだよ
ね?(リョウポートに)私たち帰れる?」
リョウポート: 「(何か言ってるがよく聞こえない)」
少女A、リース、女性が耳をそばだてて聞いている。
短い間。
少女A: 「これさ、」
リース: 「うん」
少女A: 「あれだよね」
リース: 「そうだね」
少女A: 「あのぁ、あれ、」
リース: 「うん」
少女A: 「何言ってるか全然聞こえなかったよね」
リース: 「そうだねぇ」
少女A: 「なんか伝えようとしてたのは伝わったけどね」
女性: 「私聞こえたかも」
少女A・リース: 「えっ!なんてっ?!」
女性の顔をガン見する少女Aとリース。
女性: 「(小声で)酔っちゃったよーって」
短い間。
少女A: 「そうか」
女性: 「うん」
少女A: 「酔っちゃったか」
女性: 「うん」
少女A: 「でもそれってさ?」
女性: 「うん」
少女A: 「あなたが、こうワッシャワッシャとゆすったからですよね?」
リース: 「(諌めながら)ちょいちょいちょい」
女性: 「まぁ!」
リース: 「まぁ!って」
女性: 「そうなのよ!」
リース: 「そうなのよ!って!!ズッコケること言うじゃん!!!」
女性: 「じゃあどうする?」
少女A: 「なにが?」
女性: 「この手のひらサイズの成田凌、捨てちゃう?」
そうなんですよ、なんと、このメルマガ限定(だった)メルマガ戯曲、第2章へと
続いているんですねぇ、しかもまだ継続中なんですよねぇ、もはやほんとどうやって終わるのか、どこに向かってるのか、全然わからないんですよ、なんせ、「ノープラン・ノープロット・その時のノリと勢いのみ」で書いてますから。あはは。
もし読んでくださるようであれば、その1から是非。
メルマガ戯曲「少女Aと探し物へ」第2章第1話
少女Aとリースとリョウポートは、ベルサイユ宮殿内の庭園を散策している。
少女A: 「お庭もさ、宮殿もさ、広過ぎじゃね?」
リース: 「やばいよね」
少女A: 「東京ドーム何個分だろ?」
リース: 「なんで東京ドー」
リョウポート: 「(カットオフして)220個分と言われています」
少女Aとリースは目をひん剥いて、
少女A・リース: 「にっ、ニヒャクニジュッコブンッ!!!!!」
リョウポート: 「ウィ」
少女A: 「ちょっと意味不明」
リース: 「ちょーデカイってことはわかった」
少女A: 「デカ過ぎだよ、こんなに広くて探せんのかなぁ、ムリっしょー」
リョウポート: 「漫然と歩いても見つからないでしょうね」
少女A: 「まんぜん?」
リース: 「ただぼんやり歩いてもってこと」
少女A: 「そうか、なにか目的を持って歩けばいいんだ!」
リース: 「なんか急に頭冴えてきたじゃん」
少女A: 「だってベルサイユだよ?宮殿だよ?220個だよ?今冴えないでいつ冴えるのよ
ぉ(褒められて嬉しそう)」
リョウポート: 「(淡々と)では、どうしましょう」
少女A: 「目的を決めよう。歩く目的を」
リース: 「良いと思う!」
リョウポート: 「その歩く目的とは?」
リースとリョウポートが少女Aを見る。
少女A: 「うーん」
リース: 「うーん?」
少女A: 「むーん」
リース: 「むーん?」
少女A: 「ぬー」
リース: 「(カットオフして)ちょっと。真面目に考え」
少女A: 「(カットオフして)あっ!」
リース: 「なにっ?!」
少女A: 「私が好きなものを探す!」
短い間。
リース: 「良いと思うっ!!!!!」
少女A: 「私は、私が好きなものを、探す」
リース: 「いいじゃんいいじゃん、素敵じゃん!」
リョウポート: 「ここでですか?東京ドーム220個分の広さの、ベルサイユ宮殿でですか」
少女A: 「そうだよ。だって、やってみなくちゃわかんないじゃん、始める前に止めるなん
て、ダサいよ」
リース: 「ねぇ。ほんとに。どうしたの。頭。キレッキレのサエッサエなんだけど」
3人は宮殿を背にして、目の前に広がる広大な庭園を眺める。
少女A: 「やっぱさ」
リース: 「うん」
少女A: 「これさ」
リース: 「うん」
少女A: 「でかくね?」
リース: 「でかいね、でかいよ、ここで本当に見つかるのかなぁ、好きなもの」
少女A: 「ま、やってみよ。間違えたらやりなおそ」
リース: 「うん」
少女A: 「よしっ!じゃあ、せーのっ!で、3人で一歩前に踏み出そう!」
リース: 「なんか青春みたい!やってみたかった、青春!」
少女A: 「では」
3人は一緒に深呼吸をする、スーハー。
少女A: 「せーのっ!」
少女Aとリースは大きな一歩を踏み出す。
リース: 「青春最高っ!」
少女A: 「けっこう簡単だったね」
リース: 「うんまあね〜、片足を一歩出すだけだからね」
少女A: 「いや、でもきっと大きな意味を持つんだよ、うん、ね?」
と、少女Aはリョウポートに話しかける。
少女A: 「あれ?」
と、少女Aは辺りを見渡す。
リース: 「あれ?」
と、リースも辺りを見渡す。
少女A: 「成田凌どこいった?」
リース:「えどこいった?」
二人はキョロキョロするがリョウポートらしき人物は見当たらない。
少女A: 「え待ってうそでしょ」
リース: 「観光客多くて見つけられなくない?」
少女A: 「ってかさ、これ、あれじゃね?」
リース: 「なに?」
少女A: 「迷子」
リース: 「えヤバ!」
少女A: 「そりゃ迷子にもなるよ、混んでるもん」
リース: 「そうだけど!」
少女A: 「お庭の向こうの方は空いてるのにね」
リース: 「そうだけど、ベルサイユ宮殿で迷子って?!」
少女A: 「どうする?迷子センターみたいなとこ行ってみる?」
リース: 「移動したらますますはぐれちゃうよ、ここにいようよ、どうしよう」
少女A: 「なにビビってんの?」
リース: 「だってノンパリまで来て迷子って!心配過ぎる!!」
少女A: 「ほんと困った奴だよねー」
リース: 「え?」
少女A: 「旅がこれから始まるっていうときに」
リース: 「え誰が迷子なの?」
少女A: 「成田凌、えどういう意味?」
リース: 「迷子は!私たちだよ!!」
少女A: 「え?」
リース: 「え?」
少女A: 「まぢで?」
リース: 「まぢで」
少女A: 「なんで?」
リース: 「だって成田いなかったら無理じゃん」
一瞬の間。
少女A: 「やばー!!」
その1から読んでね、そしてなんとここまでで第1章なんですよ、意外と長いのよ。
メルマガ戯曲「少女Aと探し物へ」 その4
リース: 「え!いや、あははって」
少女A: 「だってないんだもん」
リース: 「えー」
少女A: 「うん、まぁ仕方ないね!」
リース: 「いや、まぁ仕方ないね!って、うん、いやぁ、え、でもあれ大事なんじゃない?
だって覚えてるの、なに書いてあったか?」
少女A: 「(しらっと)なにが?」
リース: 「メモになにが書いてあったか覚えてるのって」
少女A: 「(しらっと)ん?ごめんごめん、なに?」
短い間。
リース: 「嘘でしょ」
少女A: 「(しらっと)えー、だから、なに?」
リース: 「覚えてないんじゃん、あんた、メモの中身、覚えてないんじゃん!」
それまで二人の話を聞いてないように見えたリョウポートが、
リョウポート: 「(静かに)ワットゥ?」
短い間。
少女A: 「(真顔で)ノンパリの人たちはオシャレですね、どこで服買ってるんですか」
短い間。
リース: 「あんたなにを・・・」
リョウポート: 「アニエスベー」
短い間。
少女A・リース: 「まぢで?」
リョウポート: 「マヂマヂ」
少女A: 「フランス人って本当にアニエスベー着るんだ」
リョウポート: 「なんならフランスのギャップ的な立ち位置です」
少女A・リース: 「まぢで?!」
リョウポート: 「マヂ」
少女A: 「なんか、急に庶民感」
リース: 「わかる」
少女A: 「そうか、もっと気軽な感じなんだなアニエスベー!なんだそっか〜へーなるほど
ね〜」
リース: 「そうだね〜!っていうか!どうすんの!メモ!」
少女A: 「わかんない!」
リース: 「覚えてないんでしょ?」
少女A: 「あっ!戻ればいいじゃん!なんだ私天才」
リース: 「どうやって?」
少女A: 「成田凌に頼んで」
リース: 「えーあいつに頼むのなんか癪に触る。絶対文句言うぜ?」
少女A: 「すいません、リョウポートさん、忘れ物したんで戻りたいです、ギョギョギパー
クに」
リョウポート: 「(静かに)ワットゥ?」
少女A: 「うんだから、一旦戻りたいです、ギョギョギパークに」
リョウポート: 「(静かに)ワイ?」
少女A: 「わい?私?」
リース: 「なんでって」
少女A: 「あだから、忘れ物を取りに」
リョウポート: 「(カットオフして)ノン インポッシブルです」
少女A: 「ワイ?」
この咄嗟の返事にリースが、少女Aを見直す。
リース: 「うまい」
少女A: 「へっへっへ」
リョウポート: 「ビコーズ、我々は過去へは戻らない、進むだけなのです、フューチャーに」
間。
少女A: 「うん言ってることはすごいカッコイイんだけど、あれがないと困るんだよ」
リョウポート: 「ワイ?」
少女A: 「えーっと、いやぁ、うん、ちょっと思い出せないんだよねぇ、うん」
リョウポート: 「ワイ?」
リース: 「いやそこは『ワイ?』じゃなくない?」
リョウポート: 「(ちょっと赤面して)ワットゥ?」
リース: 「いやちょっと赤面って」
少女A: 「いやあのぅ、メモの、中身を。何かを探すはずなんだけど、なんだっけなぁって
思って」
リョウポート: 「つまり、旅の目的がわからなくなった、と?」
少女A: 「ウィ!」
リョウポート: 「ワイ?」
少女A: 「ワイ?って?」
リース: 「なんでって」
少女A: 「うん、ワイ?の意味はわかってる」
リース: 「お、おぅそうか」
少女A: 「なんで?って?」
リョウポート: 「旅の目的がわからなくなったのは、ワイ?って」
少女A: 「あ、だから、メモを落としちゃったみたいなんです、旅の目的を書いた」
リョウポート: 「で?」
少女A: 「で?あ、で、そのメモに目的っていうか、何かを探せって書いてあったと思うん
だけど、思い出せないから、そのメモを取りに帰りたいってわけなんです」
リョウポート: 「なるほど。でも、アン、我々は過去へは戻らない。
ドゥ、フューチャーに進むだけ。
トロワ、メモがなくても旅は続ける。
ビコーズ、目的がなくても旅は続けられる」
短い間。
リース: 「おぉぉぉぉ、成田凌まぢでちょーカッコイイんだけど」
少女A: 「いやカッコイイけどさ、無理じゃね?どうやって続けるの?」
リョウポート: 「前にゴーするのです、自分の足を一歩ずつ、とにかく前へ」
リース: 「おぉぉぉぉぉっカッコイイっ!!!」
少女A: 「でもさ、どっちにゴーしたら良いかわからないんだよ?一歩出せないじゃん」
リョウポート: 「一歩は出せます、前に足を出せば良いのです」
少女A: 「いやそりゃ物理的にはそうだろうけどさ」
リョウポート: 「それしかないのですよ、ユーたちも、ミーも、とにかく一歩ずつ前に足を
出してゴーするしかない」
少女A: 「どっちにゴーしたらいいかわからない時は?」
リョウポート: 「目をクローズして、一歩だす」
少女A: 「か、賭けじゃんっ!」
リース: 「面白そう!」
少女A: 「え?」
リース: 「面白そうじゃん、やってみようよ」
リョウポート: 「とにかく一歩前にゴーする、違ったなと思ったら、また違う方へゴーして
みる。間違えたら、そこからまたゴーしなおせば良いのです。それを続けて
いるうちに、きっと、ユーが探しているものは見つかるはず」
リース: 「(しみじみと)はぁカッコイイ」
少女A: 「その探し方だとさ、すごい時間かかりそうだよね」
リョウポート: 「時間がかかっちゃいけない理由はありますか?」
短い間。
少女A: 「特にない」
リョウポート: 「それに、ゴーし続けるうちに、わかるはずです、どこに向かえばいいのか、何を探しているのか」
少女A: 「そうかなぁ」
リョウポート: 「だから、ゴーし続けるのです。間違えたら、また違う方に向かってゴーす
れば良い、それだけです。何にも難しいことはないでしょう?」
少女A: 「たしかに」
リース: 「うん、面白そうだよ」
少女A: 「うん。ゴーしてみようか」
リース: 「うん」
少女Aとリース、向き合って照れ臭さそうに頷きあう。
リョウポート: 「まずは、ベルサイユ宮殿入館チケットを買いましょう」
その1から読んでねー!色々アレで謎だけど、まぁイベントだから!メルマガ内のイベントだから!そのつもりで!!
メルマガ戯曲「少女Aと探し物へ」 その3
静かな短い間。
リース: 「え?」
少女A: 「え?」
リース: 「今なんて?」
少女A: 「(照れて)いやちょっと咄嗟なことで・・」
リョウポート: 「ブラーヴァ!はい決まりました、ウィーはベルサイユ宮殿にゴーします。
ナウ」
少女A: 「ナウっ?!」
リョウポート: 「イエス、ナウ」
少女A: 「えちょっ、急っ!」
リース: 「私乗れるかな飛行機・・」
少女A: 「乗れないの?」
リース: 「動物の入国はいろいろ面倒くさいんだよ」
少女A: 「えー、こっそり私のバッグに入ってたらいいよ、っていうか、私バッグ持ってな
いや、っていうか手ぶらだわ。なんで手ぶらなんだよ!」
リョウポート: 「では、今すぐライトナウ出発です」
少女A・リース: 「ライトナウ出発??」
リース: 「え待って、私どうすれば・・」
リョウポート: 「(カットオフして)さぁ目をギュウッと閉じて!さぁ!レッツ閉じろ!!」
少女A・リース: 「はいっ!」
少女A: 「成田凌こっわ」
リョウポート: 「次に耳を閉じて!さぁ!レッツ閉じろ!!」
少女A・リース: 「ど・・どうやって?!」
リョウポート: 「自力でっ!」
少女A・リース: 「じ、自力で・・・?」
リョウポート: 「さぁ急げ!!」
少女Aとリースは両手で耳をふさぐ。
リョウポート: 「それは閉じているではなく塞いでいるだっ!」
少女A: 「いちいちうるさいなぁっ!」
リョウポート: 「急げ!時間がない!!早く耳も閉じろハリーアップっ!!!」
リース: 「(少女に小声で)念力がいいよ」
少女A: 「ね、念力っ?!斬新っ!!」
リョウポート: 「それから口も閉じるのだ!そして右鼻も!!」
少女A: 「むずっ!」
リース: 「閉じましたっ!」
リョウポート: 「口が開いているっ!」
リース: 「はっ!!」
リョウポート: 「よし、いいか。今から心を無にするのだ、そして心の目で暗闇の向こうに
うっすらと見える光を見つけ、心の中でこう呟く、
『ベルサイユ宮殿、ヒア アイ カム』わかったらうなづけ!」
少女Aとリースは念力で耳を閉じているため良く聞こえない。
リョウポート: 「よし。耳は閉じているな!ユーたちの心にもう一度語りかけるぞ!」
10秒ほどの静かな間。
少女Aとリースが、うなづく。
リョウポート: 「さぁ、準備は整った、行くぞ!!5、4、3、2、1っ、レッツリョウッ!」
突然、地面がゴゴゴゴゴと共鳴し、揺れる。
少女A: 「なっ、なにk・・」
リョウポート: 「シャッタファックアップッ!!」
少女Aは恐怖で口をつぐむ。リースも口をしっかり閉じている。
地面は揺れ続け、真っ直ぐ立っているのもやっとな程。両足で踏ん張って立つ3人。
恐怖と揺れで、意識が遠のきそうになったその瞬間、
リョウポート: 「(大声で)レッツフラーーーイ!!!!!」
と叫ぶ。
その瞬間、3人の体は宙に浮き、あっっっ!!!と言う間に姿を消した。
そして・・・
「ズヴァァァァァンンンンンッッッ!!!!!」という音とともに到着。
地面にひっくり返っている少女が、
少女A: 「ちょ、え、なに、なにが起きた?え?え?」
リョウポート: 「着きました」
リョウポートは何事もなかったかのように、澄まして立っている。
少女Aの隣で同じく地面にひっくり返っているリースが、
リース: 「へ?」
リョウポート: 「周りをルック」
少女Aとリース、上半身を起こして周りを見回す。
少女A: 「えまぢで?え?ここあれ?もしかして・・」
少女A・リース: 「ベルサイユ宮殿っ?!」
リョウポート: 「ウィ!」
少女Aはパッと立ち上がって、辺りを見渡す。
少女A: 「うそうそうそうそ!すごいすごいすごい!外国じゃん!なにこれ魔法じゃん、
えまぢで言ってる?えまぢで?」
リョウポート: 「マヂマヂ」
少女A: 「外国カッけぇ!!」
リース: 「私も来れちゃった!」
少女A: 「いや成田凌やっぱすごいわ」
リース: 「いやほんとすごいね本当に来ちゃったよ、ベルサイユ!パリ!!」
少女A・リース: 「パリーーーーー!!!!!」
少女A: 「なんかさ、(クンクンと匂いを嗅いで)においがもうオシャレだよね、ふぁ〜」
リース: 「わかる、もう空気がね」
少女A: 「そうそう、なんだろ、なんか、うん、なんかパリって感じ」
リース: 「わかるわかる、もうパリってだけでオシャレっていうか」
少女A: 「そうそう!見てみてみて、あそこに立ってる女の人、存在がもうオシャレ」
リース: 「あのスカーフが違うよね、しかもボーダー着てるし!ザ・パリって感じ!なんか
もう東京と全然違う、パリヤバい」
少女A: 「うん。パリジェンヌヤバいね」
リース: 「ヤバいヤバい」
リョウポート: 「エクスキュゼモア、ここはノンパリね」
少女A: 「え?ノンパリ?」
リース: 「あぁ!ここは、ノンパリってとこなんだよ」
少女A: 「あぁなるほど!パリじゃなくて、ノンパリって場所なんだ」
リース: 「ノンパリジェンヌもオシャレだよね」
少女A: 「うんもうさ、フランスってだけでオシャレなんだよ」
リース: 「わかる」
少女A: 「うっとりしちゃうね」
リース: 「わかる」
少女A: 「ねぇベルサイユ宮殿どこ?」
長蛇の列の一番後ろに並びながらリョウポートが少女Aとリースを呼ぶ。
リョウポート: 「さぁ、こちらへカモン!」
二人はリョウポートの方へ歩きながら、
少女A: 「なにこの列?」
リース: 「でもほんと、ベルサイユ宮殿どこなのかな?」
少女A: 「いやそうなんだよ、なんか雰囲気だけで浮かれちゃったよね」
リース: 「でも浮かれちゃうよ、だって雰囲気だけで何もかもオシャレなんだもん」
少女A: 「それな。(リョウポートに)ねぇ、ここ本当にベルサイユ宮殿なの?どこですか?」
リース: 「なんで並んでるんですか」
リョウポート: 「ウィ、ここは本当にベルサイユ宮殿、これはチケットを買うラインだ」
少女A: 「チケット?」
リョウポート: 「ウィ、ベルサイユ宮殿の入場チケット」
少女A: 「今から買うの?!めっちゃ並んでんじゃん!嘘でしょ」
リョウポート: 「ノン、嘘じゃない、今から並んでもクローズまでには間に合うだろう」
少女Aとリース: 「えええええええええええええええーーーーー」
リョウポート: 「えーじゃない、なにをしに来たのか忘れたのか」
少女A: 「なんだっけ?」
リース: 「ポケットに入ってるよ」
少女A: 「そうだった」
と、少女Aがジーンズのポケットに手を入れメモを探す。
少女A: 「ん?」
リース: 「なに?」
少女A: 「(あらゆるポケットに手を突っ込んで探しながら)いやぁ、え?あれ?いやいや
嘘でしょ、え?」
リース: 「なによ」
少女A: 「これは、あれだよね、うん、これは、そうね、ない感じ?」
リース: 「え?」
少女は探すのやめて、
少女A: 「うん、ないね、メモ。なくなっちゃった。あはは」