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2016年10月25日火曜日

FREEDOM-Eについて

私が、脚本と共同演出で参加しているダンス公演
Work In Progress 2016「FREEDOM-E」
の本番が近づいてまいりました。
あの、えと、ちょー近づいております。近づいているというか、近い、いや、もはや目の前、直前なうです!激なうです!!

そして昨日小屋入りしましたーーー!いよっ!!
稽古初日から、約1ヶ月半以上経ちました。今回は、毎日稽古していた訳ではなくて、最初は1週間に一度とか、1週間丸々空いたりとか。それでも、あっという間のような、そうでないような。いつも一緒にいたような、そうでないような。
ここまで色々なことがありました。
ダンスばかりやってきたワタルくんとジョーくんの若人二人と、演劇ばかりやってきた非若人の私との擦り合わせと歩み寄りと発見と理解と受容の日々。
12年間お友達同士のワタルくんとジョーくんだって、沢山たくさん話し合う。多分、今回初めて知った一面があったハズ。初めて見せた面や、初めて話したことだって、あったハズ。
イラッとしたことも、ムッとしたことも、カチンときたことも、感心したことも、哀しくなったことも、嬉しかったことも、感謝したことも、あったハズ。
その底辺に流れているのは、お互いへの信頼と尊敬。のハズ。

ジョーくんとワタルくんの仲は、不思議です。
ジョーくんを弟のように守りたいと思ってるワタルくん、そのことを知ってかしらずか意に介さないジョーくん。
無頓着なのか執着心のあまりないジョーくん。自分の強いこだわりがあるとも言うけれど物への執着心が強いワタルくん。
感情的なワタルくん。あまり感情が表に出ないけれど、でもその心底には繊細な感情が流れているジョーくん。
ほっといてもずうっと喋ってるワタルくん。ほっとくといつまでも喋らないジョーくん。
お料理上手なワタルくん。お裁縫が人並みに出来るジョーくん。
子供っぽくてでも大人になりたいワタルくん。もはや子供なんだけど大人の一面を持つジョーくん。
ジャズダンサーのワタルくん。バレエダンサーのジョーくん。
金髪のワタルくん。黒髪のジョーくん。
とかとか。あげたらキリがない。それほど、似てるところがほとんどない。
それでも仲が良い。いや、あれは仲が良いって言うのかな?
それぞれと二人っきりで話すと、その二人の違いは顕著なのだけれど、どこまで話して良いのか分からないので←、ここらでやめておく。
でも今私にハッキリと言えるのは、二人には違うところが沢山あるけれど、「FREEDOM-E」がその違いを活かした作品になっていること、そして、その違いが非常に魅力的であること、です。

私は、今回、初めてダンス作品に台本を書きました。
私は基本アテ書きをします。今回もまた然り。今の二人にしか出来ない、世界でたったひとつの物語。
とはいえ。ワタルくんはこんな人です、ジョーくんはこんな子です、という彼らをそのまんま描いた訳ではありません。私の独断と偏見で勝手に感じ汲み取った、ワタルくんのこんな想いを見せたいな、ジョーくんのこんな表情(動き)を見せたいな、などのアイデアから色々と構築していきました。

ダンス作品にありがちな、「ジェスチャーで会話」はありません。あれ、いっつも気になってたんですよ。ジェスチャーするならセリフ喋れば良いのになって思ってたんですよ。でもダンスだから喋らない。だったら私は、喋らない、喋れない、喋らなくてもおかしくない状況、設定を考えようと思いました。色々考えて、思いついたのが今作品の設定です。だから、「FREEDOM-E」には、「ジェスチャーで会話」はありません。もちろん、喋りません。ダンスですから。

つまり、ダンスだけれど、演劇的なのです。

「ジェスチャーで会話」がないだけではなく、ダンスで美しいとされている、あの独特な歩き方もやめてもらいました。いや、ダンスだけの世界なら成立するのかもしれないけれど、演劇ベースの作品であの歩き方はヘンです。と思います。思いました。思ってました。
なんか、あの、足をスッスッて長く引きずるみたいな歩き方。わかるかしら。いや、あれ自体は美しいと思うのよ、本当よ!でも、演劇作品の中であの歩き方したら、ん?どしたどした?ってなりますよ?え、なるでしょ?うん、なるよ。
だから、フツーに歩いてます。二人とも。頑張って、フツーに歩いています。フツーに座ってます。

だから、ダンスだけれど、演劇的なのです。
つまり、演劇的なダンスなのです。

それが、ワタルくんとジョーくんのお仲間のダンサーさん達にどう映るのか、全く見当がつきません。ワタルくんもジョーくんも、もしかしたらそのことを不安に思っているかもしれません、私には言ってこないけれど。
でも、私はこの作品の脚本家として、共同演出家として、堂々と言える。
今回の彼らは、痛くて哀しくて辛くて傷ついて怒って不安で怖くて、でも楽しくて嬉しくて有難くて明るくて幸せで暖かくて優しくて美しくて尊くて、愛おしい。とにかく、素敵なのです。とってもとっても素敵なのです。

ダンスが上手なのは、もう当たり前過ぎる事実ですが、芝居もなかなか素敵ですよ。
私が書いた台本を、とにかく、彼らなりに、とても真摯に、誠実に、何度も何度も読んで、分析して、話し合って、解釈して下さいました。自分たちの解釈が間違ってないか、私の創りたい世界観を壊してないか、いつも必ず確認して下さいました。私が書いた言葉や世界を、ここまで精一杯忠実に理解し具現化しようとして下さることは、俳優さんでもそう多くはありません。←
だから、とても嬉しかったし、有難かった。
違う畑出身でも、年齢や性別が違っても、こんなに尊重し合って学び合って影響し合って作品創りが出来るなんて、なんて楽しくて、そしてなんて有難いことなのだと思いました。

つまり、そんな作品です←
そんな3人が寄り集まって、一歩一歩、いやもうそりゃ本当に、一歩一歩、地道に前進し続けて創ってる作品です。
とにかく、ワタルくんとジョーくんの今がぎっしり詰まっています。ワタルくんとジョーくんの、今じゃないと見られない今がぎっしり詰まった作品です。
二人がとにかくとってもとっても素敵です。

ぜひ、ひとりでも多くの方に、ワタルくんとジョーくんの素敵さを観て頂きたい、伝えたい。
Little Theater KaNaUにて、お待ちしております。

*****
Work In Progress 2016
「FREEDOM-E 」
演出・振付・出演:酒井航・高橋慈生
脚本・共同演出:保科由里子
公演日時:10/27(木)公開ゲネ / 28(金)〜30(日)
全公演19:30開演
料金:1500円(公開ゲネは1000円)
場所:L・T・K (渋谷区千駄ヶ谷1丁目3-10)

スタジオ公演なので、席数が多くありません。そして、大変有り難いことに、公開ゲネは完売、週末のお席は大分少なくなってきております。もし!もし、ご観劇をご予定であれば(ご予定のハズですが!)、今すぐのご予約をお勧め致します!私にご連絡頂けたら、お席ご用意致しまーす!
木曜と週末以外ってことはさ、金曜日がね、狙い目だよ!
もう一回言うよ、ちょー大事なことだからさ!



 ん
  よ
   う
    び
     の
      初
       日
        が
         ね
          ら
           い
            め
             だ
              よ
               ぅ
                !