なかなか長いですが、ぜひとも「その1」から読んで頂けたら嬉しいです。
で、このメルマガ戯曲は、私が扱ってるSNSの中では1番正直に色々と書いてる場所である、「ホッシーナゆりこと仲間たち」のメルマガの中で展開しています。
https://sv7.mgzn.jp/sys/reg.php?cid=T003226
ちょうど、前回のメルマガで今日のところまで配信済みです。
メルマガ内で物語が進み次第、適宜、ここのブログにも公開していく予定です。
ちなみに、月2回配信予定。自宅軟禁中は毎日配信、次第に隔日になって、ついに月2回の配信となってしまいました〜。
ゆるゆると月2回で続けたいと思ってます、月2回でも危うい時あるけど、なんとか。かんとか。(ちなみにブログは月1を目指しておる)
メルマガ戯曲「少女Aと探し物へ」第2章 その2
リース: 「そうなんだよ!!」
少女A: 「どうすんの?!」
リース: 「どうしよう!」
少女A: 「どうしようっか!」
リース: 「どうする?」
少女A: 「もうさ、行こうよ、進もう、前に」
リース: 「ちょっと」
少女A: 「うんだって、帰り方わかんないしどうせ」
リース: 「なんかさ、え?なんか」
少女A: 「なによ?」
リース: 「カッコよくなったよねぇ(ニヤニヤ)」
少女A: 「(大テレして)えぇやだなにぃちょっとやめ」
リース: 「(カットオフして)よし行こうか」
少女A: 「(スンっとして)うんそだねー」
リース: 「とりあえずさ、あの巨大な噴水まで行く?」
声: 「すみません」
少女Aとリースが声の方を振り返る。
そこに、黒人女性が手になにかを持って立っている。
女性: 「すみません、これ落としましたよ?」
固まる少女Aとリース。
女性: 「あの、これ、違います?」
慌てて返事をする少女A。
少女A: 「あ、え、エクスキューズミー?」
女性: 「日本語で大丈夫です」
少女A: 「あの、アイムソーリー、アイキャント・・」
女性: 「(優しくカットオフして、丁寧に)日本語わかりますよ」
短い間。
少女A: 「あ、す、すいません、驚いた、だって日本語上手・・」
女性: 「驚かしちゃいましたよね、ごめんなさい、私日本人なんですよ、だから日本語ベラ
ベラ」
リース: 「えーーーーー!!」
少女A: 「(リースに)ちょっとっ!」
リース: 「だってっ!」
女性: 「(楽しそうに笑って)あっはっは、そりゃえーってなりますよね、大丈夫、いつも
のことだから」
少女A: 「(シュンとして)あ、いつもこんな風に驚かれるんですか・・えっと、すいませ
ん」
女性: 「残念ながら、慣れてます」
リース: 「見た目で判断しちゃダメってことだよ、私の時で学ばなかったのか」
少女A: 「あ」
女性: 「じゃあ、次からは気をつけないとね」
少女A: 「はい、ごめんなさい」
女性: 「で、これ、違う?さっきポトって落ちた気がしたんですけど」
少女Aとリースが女性の手に乗っている物を見ると、
少女A・リース: 「えーーーーーーーーーー!!!!!」
少女A: 「成田凌じゃん!」
リース: 「ほんとだ成田凌じゃん!」
女性: 「成田凌?これが??」
少女A: 「ちっちゃ!なんでこんなちっちゃくなってんの!!」
リース: 「手のひらサイズの成田凌!!」
少女A: 「かわいいじゃん!」
3人は女性の右手の平を見下ろす。
間。
リース: 「(少女Aに)ねぇ、話しかけなよ」
少女A: 「え、あ、うん」
少女A、深呼吸をして、
少女A: 「あの、き、聞こえますかー!」
3人、それぞれの片耳をリョウポートに寄せる。
間。
リース: 「聞こえないのかな?」
少女A: 「これさ、寝てるんじゃない?横になってるし」
女性: 「ゆすってみる?」
少女Aとリースが驚く間もなく、女性はリョウポートを乗せてない方の左手を右手にか
ぶせ、ワッシャワッシャとバーテンダーのように手を振る。
少女A: 「あちょちょちょちょちょっ!酔う酔う酔う!」
リース: 「死んじゃうよ!」
女性: 「あら失礼!(朗らかに笑いながら)ワザとよぉ」
と言って手を開くと、ヨレッヨレのフラッフラになったリョウポートが立っていた。
リョウポート: 「し・・・死ぬぅっ!!」
リース: 「声ちっさ!」
少女A: 「良かった生きてたーっ!」
女性: 「(残念そうに)あーあ」
リース: 「・・・あーあ?って??」
女性: 「あーあ?って?」
リース: 「え、いや、今、あーあ?って仰いました?あれ?」
少女A: 「とりま生きてて良かったよ、これで迷子はまぬがれた!よね?え、帰れるんだよ
ね?(リョウポートに)私たち帰れる?」
リョウポート: 「(何か言ってるがよく聞こえない)」
少女A、リース、女性が耳をそばだてて聞いている。
短い間。
少女A: 「これさ、」
リース: 「うん」
少女A: 「あれだよね」
リース: 「そうだね」
少女A: 「あのぁ、あれ、」
リース: 「うん」
少女A: 「何言ってるか全然聞こえなかったよね」
リース: 「そうだねぇ」
少女A: 「なんか伝えようとしてたのは伝わったけどね」
女性: 「私聞こえたかも」
少女A・リース: 「えっ!なんてっ?!」
女性の顔をガン見する少女Aとリース。
女性: 「(小声で)酔っちゃったよーって」
短い間。
少女A: 「そうか」
女性: 「うん」
少女A: 「酔っちゃったか」
女性: 「うん」
少女A: 「でもそれってさ?」
女性: 「うん」
少女A: 「あなたが、こうワッシャワッシャとゆすったからですよね?」
リース: 「(諌めながら)ちょいちょいちょい」
女性: 「まぁ!」
リース: 「まぁ!って」
女性: 「そうなのよ!」
リース: 「そうなのよ!って!!ズッコケること言うじゃん!!!」
女性: 「じゃあどうする?」
少女A: 「なにが?」
女性: 「この手のひらサイズの成田凌、捨てちゃう?」